とある農園の雑記帳

農的暮らしの折々に感じたことを綴ります。チラシの裏デジタル版。

青いバケツ

青いバケツ
青いバケツ
ときどきグレー

 

学校給食の残さを回収したり
豆腐屋さんのおからを回収したり
鶏の餌や畑の肥料を仕込んだり

積んで 下ろして
洗って 干して

20年以上も続けているうちに、この単調作業が、いつの間にか好きになっていた。

 

「そういう作業の時間も、労働コストとして販売価格に入れてる?」
以前そう心配して、厳しいことも言ってくれてた同級生が、闘病の末に亡くなった。彼女はプロの経営者だった。死の床で、彼女は自身の残り少ない時間や、これまでの人生を経済的な視点で見積もったりしたのだろうか。
いや、そんなはずはない。
最後に送られたメッセージには、「今までありがとう。色々ごめんね」とあった。

人生なんて儚いもんだね。そして生きてるだけで素晴らしい。
ぼくはもう少しこの人生を楽しむことにするよ。

 

青いバケツ
青いバケツ

昨日も 今日も

たぶん明日も。

チョコの思い出

初めて女の子からバレンタインチョコをもらったのは、小5のとき。
相手はたしか隣の席の、家もわりと近い子だったから、たぶん今でいう「友チョコ」だったと思うけれど,,,その日は一日中、ニヤけて顔が綻びそうになるのを堪えながら学校で過ごした。

そんな幸先の良い自分だったが、年頃の時分にはチョコの思い出はあまりない。
つまりはモテなかったのだ。

20代の頃、仕事でスイスのチョコレートを取り扱う機会があり、バレンタインデーの時期は連日深夜まで包装していたのが、思い出といえば思い出だ。
当時は必死だったので苦い思いをしたわけではなかったけれど、いま懐かしく思い出したところで甘さなどは微塵も感じない。

そんな苦くて黒い歴史を持つ僕も、50を過ぎた今は毎年バレンタインデーに妻がくれるチョコに幸せを感じている。

妻が、小5のあの日、僕に初めてのバレンタインチョコをくれた、その人だったりもするから。

人生はときどき 甘い。

 



 

Hello world

SNSになんだか飽きてきたこの頃、ふとブログをやってみようかと思ったのは単なる気まぐれなのか。だが季節も変わるこの時期に、新しく始めることがあるのは良いものだ。

まあ今は、病院の待合室で時間を持て余しているところなのだが。

雨の朝、病院の待合室は高齢者でいっぱいだ。50過ぎのおっさんである私ですら彼らから見たら子ども世代。すこし居心地が悪い。

そもそも病院は嫌いだ。そして、雨の日も。

 

高校同級生のLINEグループで、同じクラスだった女性が入院中だと知った。LINE通知をミュートにしていたので、彼女の容体が今はもうずいぶん悪化してしまっていること、彼女の、もしかしたら最後になるかもしれない伝言メッセージなどの情報をいっぺんに受け取ったのは、他のメンバーからの激励メッセージの嵐すらすっかり落ち着いたあとだった。病名も、入院している緩和病棟というものがどういうものかも詳しくは知らないけれど、彼女がいま苦しくないよう、寂しくないよう祈るばかりだ。

 

さて、そうこうしている間に私の方も順番が回ってきた。採血が行われ、今は血液検査の結果診断を待っているところだ。落ち着かない。

我が血液中の悪玉コレステロールが、基準値内であるよう祈るばかりだ。

結果が良ければ、帰りに旨いものでも食べて帰ろう。朝から何も食べてないので妄想はどんどん膨らんでゆく。

 

外は雨が降り続いている。

人生も続いていく。